Take.8 インセプション

ここは夢か現実か!?観る者全てを疑心暗鬼にさせる衝撃のラストとは!?

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朝目覚めてすぐに

「あぁ。さっきの夢だったのかぁ。」

となったことはあるだろうか。

起きた瞬間、夢の中の詳細はほとんど覚えておらず、ただ何となく

「楽しかった気がする」「怖かった気がする」

そのようになるだろう。

今作はそんな“夢の中の世界”を題材にした作品である。

 

キャストは

コブ:レオナルド・ディカプリオ

アーサー:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット

アリアドネエレン・ペイジ

サイトー:渡辺謙

モル:マリオン・コティヤール

ロバート:キリアン・マーフィ

監督:クリストファー・ノーラン

 

実力派若手俳優から、アカデミー賞受賞者まで豪華な面々。

その中には渡辺謙の姿も。正直今作の中では、ほぼほぼ苦しそうにしているシーンばかりだった。

そしてやはりレオ様!!カッコよすぎる!!

初めてタイタニックで観たときから、変わらずのイケメンぶり。

 

そんなキャストで描かれた「インセプション」だが、観ていない人にあらすじを紹介するには少し難しい。

というのも、内容・ストーリーについては、さほど複雑な面はないのだが、

設定・夢の中でのルールについては語るには難しく、観てもらうのが一番だろうと思う。

 

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ディカプリオ演じるコブは、他人の夢に入り込み、その人の頭の中にしかない情報、アイデアを盗む人物“エクストラクション”と呼ばれている。

コブはサイトーの命により、ある大企業の跡取りであるロバートを夢の中に誘い、その企業を解体するように仕向けるために、“インセプション”を行う。

インセプション”とは、夢の中=潜在意識の中で、相手を洗脳・考えを植え付けることを言う。

 

コブはかつて、自身の元妻、モルに対してインセプションを行なったが、そこで悲劇が起きてしまった。それは、夢なのか、現実なのかの区別がつかず、自身が生きている世界が夢の中であると確信してしまい、夢から覚めようと自殺してしまうという事件であった。

 

夢から覚める方法として、夢の中で死亡するもしくは“キック”という体が落下するような感覚に陥らせて自然と目を覚ます方法である。

 

妻を自殺に追い込んでしまった悲しみが、今もコブを苦しめる中で、ロバートの潜在意識にインセプションするという任務は始まった。

 

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今作インセプションの見所は多数あるが、やはりその斬新な想像力であろう。

 

夢の中という自由すぎる空間の中で、斬新なアクションや時間感覚を体感することができる。

これは、ロバートがユスフの夢の中入った際、自身が“夢の中にでの対処法”として異物者を追い出すような訓練を受けていたことで起きてしまったことである。

 

恐らく、今作の設定として、夢に侵入し、アイデアを盗むということがメジャーになってきた一方で、大企業や政治家などがアイデアを守るために脳内の訓練や、潜在意識の中で侵入者を排除するようなスキルを育成していたのではないだろうか。

 

夢の中での振動や重力、バランスというは現実世界に起因する部分が多々あり、ユスフの夢の中で落下するバンによって、アーサーの夢の中は長い時間無重力の世界になってしまう。

 

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その戦闘シーンや、現実へ起こすためのキックの創意工夫は見所の一つだろう。

 

衝撃のラストシーンに鳥肌!!

実は今作では、現実か夢かの区別をつける方法が存在する。

それは「トーテム」と呼ばれる手の中に隠れるほどの小さなアイテムであり、自身だけが、その変化に気づけるものである。

 

コブのトーテムは“コマ”であり、それは現実ではいつか回転が止まってしまうが、夢の中では回り続ける。そこで夢か現実かの判断ができる。

 

夢の中で、自身の心の後悔や悲しみの投影であるモルと別れを告げ、任務に成功したコブは、アメリカにいる自身の子供達に会いに行く。

 

子供達の後ろ姿を見たコブは、夢か現実か区別するためにダイニングテーブルの上でコマを回したが、子供達の顔を見るや、コマを忘れて子供達と感動の再会を果たす。

 

カメラはコマを写し続け、最後には回転の止まらないコマでエンドロールを迎えるというシーンである。

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このシーンを観た人はとにかく衝撃的であっただろう。

ここは夢の中なのか、それとも現実なのか、

答えはわからない。それだからこそ楽しいのだ。

 

トゥルーエンドについて賛否両論ある中で、クリストファー・ノーラン監督は

「ラストシーンでもっとも大切なことは、コブがコマを見ないで子供達の方へ向かったことだ。それがあの場面でもっとも大切なことなんだ。」

と語っている(ノーラン監督自体は夢か現実か答えは1つ必ず存在する話す)。

 

夢か現実かで日々囚われていたコブが、初めてコマを捨てたそれが

真のトゥルーエンドなのかもしれない。